2007年01月29日

ムーチービーサーと性描写【おはなし】

ムーチー(鬼餅)にあたる旧暦12月8日(今年は1月26日)前後には寒波が来るので、地元では「ムーチービーサー」(餅寒さ)と呼ばれる。今朝はまさにそんな日。風が重寒い。電気ストーブを点けた。
沖縄人は本土人が考える以上に暑がりで寒がりが多いが、沖灘人の自分は暑いのは平気でも寒いのがかなり苦手で(本来的な灘人は六甲おろしの総本山にいるので、寒さには強い。小学校のときは冬も半ズボンが当たり前、半そでも多かった。みんな貧しかったからかもしれないが)、この時期は4枚くらい着ている。先日、地元のおねえさんが多数集まる会合でも驚かれた。
ムーチーには、観光で来られる方にもすっかりお馴染みになった、ゲットウで包んだ黒糖モチを子供のために各家庭で作る。自分のところも、相方の実家で作ったものをいただいた。おもしろいというか、えげつないというか、おおらかな伝説にちなむ。

むかし、首里の金城村に親に先立たれた兄妹が仲良く住んでいた。貧しさに耐えれなくなった兄は大里村に行き、人を食う鬼になった。悲しんだ妹は鬼を退治すべく決意し、12月8日に砂利を入れた餅と普通の餅を入れた餅を用意して断崖絶壁に兄を誘い、崖の上の野原で一緒に食べた。砂利餅を食べた兄は、妹がこんな固いものを食うのかと思ったうえ、妹がわざと下着をつけず開脚で座ったのを見て、下にも口があると驚いた。「その下の口は何か」と問うと、妹は「上の口は餅を食う口、下の口は鬼を食う口」。恐れおののいた兄鬼は逃げようとして、崖から転落死したという。
兄妹の兄が鬼化する説話、女性の陰部が鬼を食うとする説話はアジア各地に存在するという。ただし、沖縄の子供向け民話(絵本)では、陰部の話には触れていない。
ほんとは、妹に関してもう一歩踏み込んだ描写があるようだが、ここでは書かない。

牧志の市場通り商店街の餅店「やまや」に聞くと、最近は観光客が買っていくことが多くなり時代の変わりように驚きながらも、「ムーチー」の看板を出して年中置くようにしているとか。
ちなみに、この行事は八重山にはないようだ。

ゲットウは魔除けだけあって、除菌、除臭、虫よけのほか、育毛にも効くと思われる。保水力や血行促進があるみたいで、南島のすぐれた生薬である。

ムーチー、地元沖縄の若い世代はどう過ごしているのか。

おすまし浦添のB探偵は
「ムーチーの話・・・陰部の話は母から聞いていたが、子供達には大きくなってから話そうと思っていたが、まぁ、どこでお知りになったの。詳しいことヽ(゜△゜;)  。最近の暖冬に驚いていたが、このくらいの寒さが幼少の頃の冬なのよね。異常気象心配だ」
とのこと。

びっくり!那覇のA探偵は
「このムーチーの話初めて知りました。ちょっとびっくり!! なんだかほんとのグリム童話みたいな感じですね! ムーチーは大好きなのでよく食べますが、食べにくいのが… 最近はもう冷凍してから、焼いてしか食べません。 手につくと面倒なことになるので(笑)」
という。

たしかに、カニかムーチーかって感じだ。 自分は顔じゅうべたべたにして食べている。

おすまし本土出身で浦添在住うちなー嫁のT探偵は
「首里城の裏手から金城町の石畳の方面に下った住宅の奥に大きなアカギがあり、ここに件の兄鬼がいたと言う話を玉稜の歴史ガイドの方から聞いたことがあります。 ムーチー私も食べたよ。一番最初に食べたときは月桃のにおいが強すぎてちょっとダメだったけど今は大好き」。



Posted by We are OKINAWAN-KOBE at 09:28│Comments(0)
 
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沖縄大学山門研究室「沖縄なんぶの樹・菜・食をいかした集客交流とまちづくり」研究班の拠点。今のところ移動体研究室で、那覇市銘苅のnagamine研究室と沖縄大学山門研究室、糸満公設市場西側(糸満協同診療所ウラ)のさかな料理店「あっぴー」(メンバーが今年1月に開店)がラボ。70代から30代まで世代と職種を超えた沖縄南部在住のにーにー、ねーねー10余名が、足元にある宝物を再評価する取り組みを通じて県内外との交流やスモールビジネスに挑戦している。


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